ぼくを釣りに連れてって

第6話 南芦屋浜 リベンジノリベンジ 2006.10.21

南芦屋浜でソーダガツオが釣れる現場を目の当たりにし、闘志満々となった。今度は息子二人を引き連れて、翌週の土曜日に出かけた。
出発は朝の4時半。真っ暗である。途中でコンビニ弁当と餌をかった。餌はアミエビ、他にY子さんに買っておいてもらったハンペンとスイートコーンである。

5時過ぎに到着。さすがに早朝はガラガラかと思いきや、割と混んでいる。まあ、3人が並べるスペースはあったので、とりあえず場所を確保。
まだ真っ暗である。アミエビを解凍する間、3人で朝食。コンビニで買ったパンを齧りながら、様子を見る。殆どの人がタチウオ狙いであるが、釣れている様子はなかった。タチウオ釣りつつサビキをしている人がいて、イワシが掛かっている。こんな朝早くでもイワシは釣れるようだ。
さて、朝食をすませ、アミエビが融けるまでの間、ルアーで遊んでみた。タチウオかカマスでも何かの拍子に釣れたら・・・などということは現実にはあり得なかった。
6時前頃。そろそろルアーもおしまいにしようか、と思っていた時、息子1号が叫んだ。「あ、折れた!」


見事に竿が真っ二つ。ルアーが後ろに置いてあったクーラーボックスのベルトに引っかかった様だ。
朝4時に起きて、まだ一匹も釣れないうちに折れたから今日は諦めろ、ではあまりに可愛そうなんで、「釣りをしている振りをして場所を確保しながら待ってろ」と言い残して、竿を買いに出かけた。
幸い、車で10分ぐらいのところに、「フィッシングマックス 芦屋店」がある。早朝にもかかわらず、餌を買う人で混雑している。竿をゆっくり選んでいる時間はないので、適当に、エギングロッド 特価 3120円というのを買った。子供用だから長いのはもてあますだろうし、格安の竿は直ぐ壊れるのが身に染みている。それに前からルアーフィッシングに興味があったので、エギングロッドにした。

さて、竿を買って釣り場に復帰したのは6時過ぎ。空も白んでいる。
アミエビもある程度融けたので、投げサビキの準備をしていて気がついた。何か異様な臭いがする。かなり強烈だ。
見ると、足元がアミエビだらけである。仕掛けの空袋や釣り糸、釣り針も散乱している。前の人が、相当マナーが悪いのか、と、よく見ると、別にこの場所だけが汚れているわけではなさそうだ。水で流そうにも、この護岸は、若干海側が高くなっており、水で薄まるものの流し落とせない。臭いは我慢するしかない。
それにしても、ちょっとここはマナーが悪すぎ!!

気を取り直してサビキを開始した。とりあえず子供は普通のサビキ、私は投げサビキをした。やっぱりイワシであるが、型はまあまあである。ソーダガツオが回ってくるまで、様子を見てみよう。

7時過ぎだろうか。そろそろ人が一杯になった頃、1号が叫んだ。
「うわ、大物や!」
無理やり釣り上げたのは、手のひらサイズのグレであった。こんなのがサビキで釣れるのか・・・

慌てて、私も投げサビキをやめて普通のサビキに変更した。出来るだけ岸壁の際を狙ってグレ狙いである。だが、やっぱりイワシしか釣れない。
だが、何人かがグレを釣り上げた。その内、低学年の女の子が大物を釣り上げた。歓声が上がる。「チヌや!」

何と、サビキでチヌである。サイズは25cmぐらいだろうか。あまり大きくはないものの、チヌである。悔しい〜〜

しかし、グレ、チヌなどの大物を釣り上げたのは、私が見た範囲では全て小学生であった。子供の無欲の勝利なのか、それとも、単に竿が短いから必然的に際を釣っているからか?


さて、10時を回ると、当たりが止まった。単発的にイワシが釣れるだけ。他のは掛からない。投げても駄目。サヨリ狙いに切替えるが、当たりなし。

例によって、子供が飽きてきた。おなかすいた、という。
「魚が回ってくるまで、ぼちぼちまとうや」といって休憩。ちょっと竿を垂れては休憩、を繰り返し、12時頃まで頑張ったが、単発的なイワシのみ。
さて、昼飯を食おうか。あれ?箸がない!!

ちくしょー!あのコンビニの馬鹿店員め!箸を入れ忘れやがったな!!
手づかみで食おうかと思ったが、アミエビ用の新品のスプーンが2個あったので、まず子供に食べさせ、そのあと私が食べて事なきを得た。


食べ終わった後の午後のひと時。
抜けるような青空。青い海に、ヨットが浮かんでいる。遠くには大きな船もある。空には真っ白な飛行船が。この前は釣りに夢中でよく景色を見なかったが、こうしてみると、本当に良い景色だ。これでアミエビの臭いさえなければなあ。


昼も2時を回った。単発的にイワシがくるものの、イワシは多分3人で100匹近く釣れているし、もうイワシは十分だ。周りの人も、釣るでもなく、釣らないでもなく、のんびりしたり、中には昼寝している人もいる。ソーダガツオもグレも釣れている気配はない。さて、作戦変更、私はサヨリ狙い、1号はスイートコーン落とし込みに寄るチヌ狙い。2号はイワシに飽きてしまったのか、時々イワシを釣ったかと思うと、クーラーからグレを取り出しては遊んでいる。こら、魚が痛むからクーラーから出すんじゃない!

サヨリを狙いだして、第一投目で幸先よくサヨリをゲットした。20cm強の中型であろうか。
その内、兄弟二人とも、釣りに飽きてしまって、私がサヨリを上げると、どちらが針から外す役目をするかで争っている。

私がサヨリを上げているのを見て、隣の若者もサヨリの仕掛けに変更した。
所が、私は順調にサヨリをヒットさせるのだが、若者には掛からない。まれにヒットさせるも全てイワシ。その若者の連れの女性が、「早く釣ってよ〜〜、隣のオジサン、ガンガン釣ってるやんか」と茶化しだした。

同じような市販のサヨリ用遠投仕掛け、飛距離も大差ないのに、不思議なものである。
若者が話しかけてきた。

「よく釣れますね〜〜」
「そうですね、調子いいですね」
「遠投すると、遠くてウキが見えないんですけど、そのせいで釣れないんですかね」
「いや、私も全然ウキ見えません(笑)。適当にやってるんですが、そのうち向こうから掛かるんですよ」
「へえ。じゃあ、何が違うのかなあ
「餌の差じゃないですかね。私はハンペンで釣ってるんですよ」
「え?ハンペン?」
「そう、おでんに入れる、あのハンペンです。本に書いてあったんですよ。私も半信半疑やったんですけど、ホントに釣れますね」
「しかも、鯛入り高級ハンペンやで〜〜」:2号が口を挟む(笑

「アミエビの方が食いはいいんでしょうけど、アミエビって、すぐ針から外れるじゃないですか。ハンペンの方が外れにくいからいいのかも知れません」
「なるほどねえ」


きっと、若者には、私がベテラン釣師に見えたのだろう。釣りを初めてまだ一ヶ月というのに、むっひっひ

夕方4時頃だろうか。これまでのサヨリとは少し違う手ごたえ!引きが強い!
岸まで寄せても、左右に走る走る〜
引き上げてみると、サヨリはサヨリでも、30cmはあろうかという大物であった。太さも、小ぶりなサンマぐらいといえば言い過ぎか。

丁度タチウオ狙いの人がボツボツやってくる時間帯である。通りがかった数人が、寄ってきた。

「おお、中々良い型のサヨリですなあ」
「いや、さっきまで小さいのばっかりだったんですけど、これはまぐれですね

と謙遜しつつも、気分は最高であった!

5時。結局、ソーダガツオは私の見える範囲では上がっていなかったようで、本日終了。
カツオは駄目だったが、イワシ100匹、グレ1匹、30cm級3匹を含むサヨリ15匹。これまでで最高の大勝利!

でも、さすがに12時間ものロングランは疲れた。更に帰りは道路が大渋滞して疲れ倍増。とほほほ。

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