ぼくを釣りに連れてって

第21話 厳寒の最終戦 2007.1.20

ネット情報を見ると、西宮ケーソンでは散発的にタチウオが釣れているらしい。
非常に厳しい状況ではあるが、息子達に聞くと、ボウズでもいいから行きたいという。珍しく、寒がりな2号までが行く気になっている。で、久々の親子3人での釣行となった。

さて、夜中の3時に起きて、3時半に出発。西宮ケーソン到着は、4時過ぎとなった。気温は2℃。とにかく寒い。
さて、ケーソンを歩いていく。人影はまばらである。第一コーナーと第二コーナーの間で、2人。テクテク歩きながら、釣りをしている人に聞いてみた。皆、異口同音に、
「駄目ですね〜。当たりすら全くありません」

あちゃー。やっぱり駄目か。
第二コーナーを曲がったところで、老人が竿を二本並べていた。
聞いてみると、
「当たりはあるけど、食わない。ウキが少し沈むだけで、それ以上沈まないんじゃ。3回空バリを引いた。完全にウキが消しこまれるまでまたんと駄目なようじゃ」

なるほど。厳しい状況ではあるが、タチウオはいることはいるようだ。

第二コーナーと灯台の中間ぐらいで釣り座を構えた。その先、灯台までの間には2人ほど釣りをしている。確かにこんなにガラガラの西宮ケーソンは初めてだ。

今回はサンマの切り身を用意した。エサ屋の冷凍キビナゴは、値段が高い上に、身がボロボロで直ぐ外れる。人間用の新鮮なキビナゴをこの間から探しているのだが、残念ながらまだ買えていない。ネット情報では、サンマの切り身は、値段が安い上に、エサ持ちがよく、食いもキビナゴと遜色なし、身がしっかりしているためか、バラす確率はキビナゴより少ないらしい。ということで、サンマの開きを買ってきて、1cmぐらいの幅の短冊状切り身にした。どれぐらい使うか判らないので、二匹分を用意した。
(ちなみに、塩で締めたサンマの切り身は、大変えさ持ちがよく、殆ど外れることはなかった。これなら、サンマの片身だけで十分であろう)

さて、早速3人で竿を並べた・・・・
・・・・
・・・
当たりなし。
1号のリールにライントラブル発生。その復旧に手間取る。
左隣、といっても20mぐらい灯台よりの人に聞いてみた。若い人だ。
「昨夜の11時からやってるんですが、全く当たり無しですわ」
「えー、徹夜ですか!」
「よくここに来られるんですか?」逆に聞き返された。
「このところ、毎週来てます(笑)。でも、あんまり釣れていないですね。先週の土曜日は夕方に来たんですが、たまたま一匹だけ釣れました。見えている範囲では、それを含めて2匹ぐらいでしたね」
「そうですか、やっぱり夕方の方がいいんですかねえ」

徹夜で頑張っておられるのに当たりなしは、さすがに気の毒である。

さて、再び頑張ったのだが・・・
当たりなしのまま5時半を回った。さすがに2号は飽きだしたのか、竿をほったらかしにして遊びだした。

「釣りをしないのなら、竿を貸せ」といって、2号の竿で投入。暫くすると・・・

ついにウキが沈んだ!!
だが、老人の言ったとおりである。ウキは少しだけ沈んだまま、水面下 50cmぐらいのところで止まっている。ベールを起こし、カウント開始。

だが、ウキは沈むでもなく、浮かぶでもなく、そのままじっとしている。水面下にぼんやり電気ウキの明かりが見える。
カウント20まで行った。いったいどうなっているのか。

とうとう痺れを切らしてしまった。ベールを起こし、恐る恐る糸ふけを取っていく。ぐっと重い手ごたえ。大きく竿を立ててあわせた。そのまま緩めないようにゴリ巻き!!

ところが、5mほど巻き取ったところで、急に手ごたえがなくなった。あらら。逃げられた。
仕掛けを上げてみると、エサは見事に残っていた。
何たる活性の低さ。エサをくわえただけで、飲み込むどころか齧りもせず、じっとしていたようだ。
返す返すも悔しい〜〜
やはり、ご老人の忠告は素直に聞かなければいかん。


時刻は6時を回った。うっすらと夜が明け始める。とうとう2号は寒さに耐え切れず、車の中で寝る、という
1号と二人で頑張ったのだが、その後は当たりなし。ならば、と甲子園浜向きに投げたりしたのだが、全く当たりはなかった。

7時、納竿。徹夜で頑張っておられるお兄さんは、まだ釣れていないようだ。

車に戻ると、2号は寝ていた。
「おしかったなあ。あの後、タチウオ 5匹釣れたで」
「ふーん」
「見てみる?」
「別にいらん」平静を装っているが、半泣きになっている。
「まあそう言わんと」とクーラーを開けた。もちろん空っぽ。
「あれ、入ってないやん」
「釣れたなんてウソや(笑)。全然アカンかったわ」

さて、Y子さんに電話。
「予定通り、全然あかんかった」
「釣れへんとわかってて、なんで行くのかわからんわ」
「それが男のロマンや」


ということで、ボウズ覚悟のタチウオつりは、やっぱりボウズであった(涙)

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