ぼくを釣りに連れてって

第20話 ホントのホントに今シーズン最終戦 2007.1.13

ネットの情報によると、タチウオの活性が一気に下がったようで、南芦屋浜その他では殆どタチウオの当たりがなくなったらしいが、西宮ケーソン、南甲子園浜は、かなり数は減ったものの僅かにタチウオが釣れているらしい。
本当に今週が最後の最後のようだ。息子1号に聞いてみると、「ボウズ覚悟でいいから行く」との返事だったので、夕方から行ってみた。

4時ごろ到着。人は一杯だ。西宮ケーソンでは釣れているという情報が回っているのか、大勢の人が押しかけている。第二コーナーまでの所は、2人が入れるスペースはなかった。
もっとも、今回は最終戦ということで、最初から先端の灯台の所まで行くつもりであった。
幸い第二コーナーと灯台の中間ぐらいで、二人が釣れるスペースがあった。
さて、風は非常に強い北風である。まず私はルアーでやってみる。1号は、キビナゴで引き釣りをやりだした。だが、全く周辺で釣れている気配がない。
少し日が暮れだした5時前、自転車で偵察をしていたらしい老人が声をかけてくれた。
「向こうで一匹上ったで」
「そうですか!タチウオはいるんですね。頑張ります」

で暫く頑張ったが、薄暗くなってきたのでウキ釣りに切り替え。そうこうするうちに、左の方の人が、引き釣りで一匹上げた!
やはりタチウオはいる様だ。頑張らねば。

やがて、私のウキがすっと引き込まれた。キター!とばかりに気合をいれたが、3秒もしないうちに再びウキが浮いてきた。仕掛けを回収してみると、キビナゴの首だけが残っている。食い逃げされたようだ。

人はどんどんやってくる。殆ど満員となった。その時、再びウキが沈んだ!慌ててベールを起こす。
だが、直ぐにウキが浮いてきた。と、また沈んだ。あれ?また浮いてきた。
また食い逃げされたか、と思い、仕掛けを回収しようとしたとたん、またまたウキが引き込まれた。再びベールを起こす。
1号が何か話しかけてきた。えー、今忙しいんじゃ!
そのままウキは浮いてこない。ゆっくり5まで数えてベールを倒し、糸ふけを取ると、重い手ごたえ!大きくあわせると、ガン、と強く引き返す。
よっしゃー!と叫んでしまった。ぐいぐい引くのもかまわず緩めないようにリールを巻き続け、一気にごぼう抜き。やったー!!
1号も寄ってきた。


「どうやお父さん、どれぐらい?」「まあ、指3本やな。とにかく釣れてよかった」
「絞めよか?」「あほー、今釣れたと言う事は、チャンスということや。お前も頑張って釣れ」
と言って、大急ぎで針を外して釣りを再開した。が、当たりなし。
6時半となった。1号は、「ちょっと偵察してくる」と言ったので、ついでにコーヒーを買いに行かせた。
その間、左の人に聞いてみた。
「当たりあります?」
「さっぱりですわ」
「5時半頃に一匹釣ったんですけど、それからさっぱり当たりないですね〜〜」
「さっき釣ったの見てましたよ。もう群れはどこかに行っちゃたんですかね」

1号が帰って来たので、コーヒーを飲む。暖かい飲み物を飲むと生き返る。
「偵察はどうやった?」
「あかんわ。どこも当たりなしやて」
「どうする?もう帰るか?」
「8時までやるんちゃうん?まだエサもあるで」
「最近は、日が完全に暮れるまでが勝負らしいんや。周りもまったく釣れてないしなあ」
「まあ、しかし8時までは頑張ろうや」

と、粘ったのだが、全然だめ。今度は1号が波止先端の灯台のところまで偵察に行った。
その結果は、灯台付近も全く当たりがないとの事。
周りの人も帰りだした。

「当たりないなあ。お父さんは?」
「あかん。さっぱりや。周りが釣れてるのに自分らが釣れないんやったら、まだ対処によっては可能性あるけど、周りもさっぱりやもんなあ」
「でも、お父さん一匹釣ったやん。すごいわ」
「たまたまや」
「それでも、周りでお父さんだけ釣ったということは、やっぱりハニーフラッシュの効果やろうか」
「そうや、やっぱりハニーフラッシュや!」

というなり、私は携帯電話を取り出し、着歌の「キューティーハニーのテーマ」を鳴らした。
この頃はやりの女の子♪ おしりの小さな女の子♪・・・

「ちょっと止めてや。なんでそんな歌入れてんねん」
「ええやんか。これは名曲や」
「しかもオリジナルバージョンやんか。あー恥ずかし。他人のふりしよ(笑)」
などと親子漫才でもするしかない。

「7時半になったで。こりゃあかんわ。帰ろうか」
「そうやなあ」
「まあ、とにかく二人で一匹釣れてよかった。完全ボウズじゃないやん。2号に笑われずにすむで」
「いや、僕にとっては、お父さんが釣っても、知らん人が釣っても、どっちでも同じや。お父さんも敵や(笑)」
「そうやな。何とか釣らしてやりたかってんけどなあ」
「まあ、もしまだ来週釣れてたら、もう一回挑戦するわ」

となり、自分が釣れたことは嬉しいが、1号が釣れなかったので複雑な心境のまま納竿とした。その時間では、人はすっかり減っており、特に来た時には超満員だった第一コーナーと第二コーナーの間は、殆ど人が居ない状態であった。年末に来た時は、この時間帯でも満員だったのに。やはり殆ど当たりがなかったに違いない。

なお、ネットの釣果情報では、この日の夕方、西宮ケーソンでタチウオ 4匹上げた人がいるとのこと。ちょっと信じられない・・・

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