ぼくを釣りに連れてって

第18話 ついにタチウオゲット 2007.1.5

さて、年も明け、正月も終わった。ネット情報によれば、まだまだタチウオが釣れているらしい。例年は年末までにタチウオの回遊は終わってしまうのだが、今年は暖冬で遅れているとのこと。だが、いつまで釣れるかは判らない。おまけに天気予報では、翌日から猛烈な寒波で大荒れの予報。もしかしたら最後のチャンスかもしれない。
幸いなことに、1月5日は年有休暇である。また、午後からは子供たちは塾の冬期講習があるとのことで、家族で遊びに行くことも出来ない。夜明け前に出発して、午前中に帰って来る、とY子さんの了承を取り付け、一人で出かけた。

朝3時起床、4時には西宮ケーソンに到着の予定だったのだが、3時に一旦起きたものの、そのまま目覚ましを切って寝てしまい、再度起きた時には3時40分だった。慌てて飛び起きて速攻で準備し、ケーソン到着は4時半頃。平日ということもあり、非常にすいている。
そそくさと準備し、第1投。今回は秘密兵器として、緑に点滅する集魚灯「ハニーフラッシュ」を準備した。周りはみんなケミホタルのみで、やたら目立つので恥ずかしかったが、なに、これで爆釣してやる!!

さて、私がつり始めて程なく、右の人がタチウオを釣り上げた。よし!今日はタチウオは居るようだ。気合を入れて電気ウキを見つめる。が、周りも含め当たりなし。
と、またまた右の人がタチウオゲット!

うーん。おかしい、こちらはハニーフラッシュという秘密兵器があるのに、なぜなんだあ!
このまま、これまでと同じパターンで、周りは釣れても私は釣れないのだろうか。

しかし、ほどなく、電気ウキがスーッと引き込まれた。きたー!
あわてるな、あわてるな、5秒待ってあわせるんだ、それ!

グーン、と思い手ごたえ。ぐいぐい引く。イワシやサヨリとは全然違う引きだ。水面にハニーフラッシュの点滅が見え出した。岸まであと5m!
が、突然手ごたえがなくなってしまった。針が外れてしまったのだ。チクショー!!
その悔しかったこと。10秒ほど呆けてしまった。
5秒待ったつもりだったのだが、実際には3秒ぐらいしか待っていなかったのかも知れない。


だが、当たりが合ったということは、棚はあっているということだ。気合を入れなおして再度投入。10分ほどして、再度ウキが沈んだ。
今度は、そのままベールを起こし、糸をフリーにした。糸はどんどん送り出される。そのままゆっくり10数えた。ネットで見た、完全呑ませ釣りだ。
ベールを倒し、ゆっくり糸フケを巻き取る。ゴンゴンと手ごたえがある。今だ!と大きく合わせた。またまた重い手ごたえ。そのまま緩めないように巻き取る。緑の点滅の後ろに白い魚体がクネクネ動いているのが見えた。そのまま一気にごぼう抜き。見事にタチウオをゲットした。やったー!!タチウオ初ゲット〜〜

タチウオは、指3本半ぐらいだった。80cmぐらいだろうか。まずまずのサイズだ。
時刻は、5時過ぎだった。

その後、暫く当たりがなかったのだが、5時半ごろ、再度ウキが沈んだ。ベールを起こしたところ、暫くしてひょっこりウキが浮かんだ。引き上げてみると、キビナゴの頭の下が、ナイフで切ったようにすっぱり切られている。エサのつけ方が悪かったのか、齧られただけのようだ。がっくり。


さて、空がそろそろ白み始めた6時半ごろ、時合いが来たのか、回りでもタチウオが上がりだした。私も同時にウキが沈んだ!
またまたベールを起こすと、シュルシュルと音を立てて4号の道糸が送り込まれる。10数えてベールを倒し、一気に引き寄せ、2匹目をゲット!指3本、先ほどのよりは少し小ぶりであった。
さあ、どんどん釣るぞ!と気合を入れ、頑張ったところ、またまたウキが沈んだが、今度はまたまたバレてしまった。

7時になると、空はかなり明るくなった。周りの人も引き上げ始めた。結局私は5回の当たりで2匹ゲット。右の人は、私のいる間にウキ釣り3匹、引き釣り1匹の合計4匹釣った。もっとも私は竿1本、右の人は竿2本+明るくなってからの引き釣り 1本でやっていたのだから、まずまず互角というところか。
少なくとも左の人は2匹だったから、互角である。ということは、ハニーフラッシュは、ケミホタルとあまり効果に差がないということかもしれない。


さて、タチウオの時間が終わったので、アジ・サヨリ狙いのため、アミエビを買いに行った。行く途中、サビキでアジが釣れていた。ケーソンの入口近く、台船が停泊しているあたりだ。カタクチイワシも釣れている。

エサを買って戻ってきたのが8時ごろ。底サビキでアジを狙うが、全然だめ。もう一本竿を出し、サヨリも狙ったが、全く当たりなし。

タチウオの人が殆ど帰ってしまったのだが、代わりに親子連れがやってきた。父親はサヨリ、子供は小学校低学年ぐらいの男の子二人で、サビキをやっている。暫くちらちら見ていたが、釣れている気配はないようだ。

さて、9時になった。親子連れのところに行って、聞いてみた。

「どうです、何か釣れました?」
「いや、全然駄目ですわ。お宅はどうですか?」
「私も駄目です。明け方にタチウオは釣れたんですけどねえ」
「タチウオですか、いいですね。うちは子供が小さいんで、夜釣りは無理なんですよ」
「年末頃までは、結構サヨリとかイワシ釣れていましたけどねえ」
「そうですよねえ、去年は沢山イワシ釣ったんですけどねえ」
「そうですか。よかったら、このアミエビ差し上げましょうか」
「え、いいんですか、もう終わるんですか?」
「まあ、タチウオは釣れたし、寒いんで帰ります。頑張ってくださいね」

さて、Y子さんに電話した。

「どうやった?釣れた?」
「タチウオは2匹釣れたで。アジとサヨリはあかんかった」
「そう、よかったやん。頑張った甲斐があったねえ」
「1号はおるか?」
「まだ寝てるで」
「なんちゅうやっちゃ。まあええわ。今から帰る」
「もう帰るの?」
「周りの人も釣れてないし、お腹すいたから帰るわ」

ということで、家路についた
2匹だったが、念願のタチウオをゲットして、上機嫌で西宮ケーソンを後にした。


メインページに戻る

 

inserted by FC2 system