第1話 MuVo2が来た

ウオークマンに始まるポータブルオーディオは、その後MDへと発展した。
MDは確かに小さく便利なのだが、色々不満は残る。MD-LPで録音時間は2倍以上に伸びたが、入れ替え回数が減っただけで、基本的にはディスクの入れ替えが必要だ。録音も再生時間分だけ必要だ。PCから高速転送するNet MDという規格もあるが、まだまだ普及していないし、高価である。更にNet MDは著作権管理が厳しく、色々制約がある。

一方、音楽情報をディスクではなく、メモリに保存する、シリコンプレーヤ、いわゆるMP3プレーヤというものも存在する。MDのリモコンより少し大きい程度であり、携帯性は抜群なのだが、現状では容量が中途半端である。売れ筋は256MBクラスだが、これだと60曲程度、CDだとおよそ4枚ぐらい保存できる。携帯性は文句ないが、出先で曲を入れ替えることが不可能である。これ以上の容量だと、値段が跳ね上がり、なかなか手が出ない。

これに対し、大容量HDDに曲を沢山詰め込んで、殆ど一生分の音楽を保存できる、HDDプレーヤというものがある。AppleのiPodが有名だが、20〜60GBの容量を誇る。60GBといえば、MP3 128kbpsだと一万曲以上を保存できる。が、1.8インチのHDDを搭載しており、小型化には限界がある。2昔前のポータブルカセットぐらいのサイズがあり、ポータブルMDプレーヤを見慣れた現在では、気軽に携帯するサイズではない。冬場はまだしも、夏場はポケットに入らない。

ところが最近の技術の進歩は素晴らしく、1インチの小型HDDを搭載し、1.5GB〜4GBの容量を誇るMP3プレーヤが登場した。これが、サウンドブラスターで有名なCREATIVEから発売された、NOMAD MuVo2 (ノマド ミューボスクエア)である。

厚みは2cmと、やや分厚いが、面積はMDメディアより僅かに小さい。これなら常時ポケットに入れていても苦にならないギリギリのサイズだろう。このサイズに、4GBのHDDが内蔵されており、MP3で1曲4分とするとおよそ1000曲の保存が可能だ。音質にうるさいことを言わなければ、高圧縮のWMA 64kbpsで2000曲を保存することもできる。
ちなみに、私はサイズと音質の妥協点としてWMA 96kbpsを常用することにした。大体1300〜1500曲ぐらいだろうか。CD換算でおよそ100枚分である。
持っているCDやMDのうち、殆ど聴かないものを除けば、全部入れてもまだまだ余裕だ。
今後も、新しいCDを買ったりレンタルしたりするが、その分古いのは滅多に聞かなくなるから、気に入った曲だけを残して入れ替えていけば良い。人にもよるだろうが、よほどのマニアでない限り、常時CD 100枚以上の音楽を聞く人は希ではないか。

そう考えると、携帯性と価格・容量のバランスの上で理想の姿ではないかと思う次第である。
将来的には、シリコンプレーヤで4GB、あるいはそれ以上の容量が安く発売されるだろうが、それまでの数年間は、究極のポータブルオーディオとして君臨するのではないか。
同様に1インチのHDDプレーヤーが、RioやApple、AIWAからも発売される。今年はHDDプレーヤーが熱い。

さて、MuVo2 4GBであるが、2004/1/20に正式発表、1/23に発売となったのであるが、メーカー直販を始め、殆どの店で1/20〜21の間に予約で完売となってしまった。慌ててあちこち調べたが全て完売・・・困っていたところ、たまたま近所のショップでキャンセルがあったみたいで、1/24に奇跡的に入手できた。その後も入荷したそばから売れ、そう簡単には手に入らない状況が続いていた。3月に入って、ようやく大手の店頭にゲリラ的に並ぶようになったらしいが。

この様に、メーカーの予想を大きく上回るヒットの原因は、どうやら、内蔵されている4GBのHDD(マイクロドライブ)を取り出す目的でデジカメユーザーが大量に買っていることが要因の一つであるらしい。その様な邪道(笑)な目的の為に、本来の目的で買いたい人が買えない、というのは哀しい事態ではある。
HDD狙いで買ったが、オーディオプレーヤーとしても中々良いものであることを認識し、取り出すのを止めた人も少なからず存在するのが救いである。

次のページへ
MuVo2 目次へ
ホームページへ

inserted by FC2 system