コーヒー・ブレイクダウン

第11話 飛べ、エアプレーン

先日、近所のホームセンターに行った。そこで、面白いものを見つけた。ゴムを動力として動く、紙飛行機のキットである。夏休みの宿題の工作用に仕入れたのが沢山売れ残ったんだろう。定価400円の初級キットと560円の中級キットが、何れも100円で投げ売りである。もともとそんな物には興味は全く無かったのだが、作って息子と一緒に飛ばしてみるのも面白かろう、と、初級中級各一つづつ、購入した。

取りあえず、初級キットを開けて、組立図を見る。胴体は木、翼は竹ひご。プロペラはプラスチック(多分ポリスチレン)だろう。組み立てた後、翼に紙を貼って完成である。紙は薄い水色である。
説明図に従って、組み立て始める。結構難しいが、適当に組み立てると、取りあえずそれらしい形に完成した。よく見ると、
翼を逆さまに付けてしまっている。ちょっと不格好だ。今更変更できないし、どうせまともに飛ばないだろうから、まあいいとしよう。なんていい加減なんだ。

そのままでは、水色で地味である。色を塗ってやろう。プラモデルに凝ってエアブラシを買ってしまった私としては、やはりここはだろう。青地に黄色で迷彩をエアブラシで吹き付けた。どうも、色のバランスが悪い。黄色が目立たない。
途中で赤の迷彩に変更する。色の感覚は良くなったが、どうも紙に塗料がうまく乗らない。紙に防水加工してあるようだ。悪戦苦闘しているうちに、迷彩どころが、汚い
子供の落書き状態になってしまった。

翌日は、うららかに晴れた秋空。車で山の中の公園に家族で弁当持って出かけた。10時ぐらいに到着したのだが、人でいっぱいである。一通り公園の遊具で遊んだ後、お弁当を食べた。その頃には、公園は超満員である。真夏の海水浴場なみの賑わいだ。

取りあえず飛ばしてみる。まともに飛ばずにすぐ旋回墜落するが、結構スピードが出る。どこへ飛ぶか判らない。

あ!!赤ちゃんの寝てるベビーカーに飛び込んだ!!

真っ青になって覗き込むと、赤ちゃんに直撃はなかったようで、すやすや寝ている。


空いている場所を探して広い広い公園を歩きまわった。サッカー場の裏の広場に誰もいない空き地を発見し飛ばし始める。サッカー場では関西学生リーグの試合(同志社vs近大)をやっている。その反対側は崖になっていて木が生い茂っている。

何度か飛ばしては、羽の角度を調整しているうちに、かなり飛ぶようになった。滞空時間約10秒、最大飛行高度約6m程度である。十分サッカー場のフェンスを越える高さだ。こんなに飛ぶとは正直思っていなかった。

これが試合中のグランドに飛んでいったら、大迷惑だろうなあ・・

と思うが、サッカー場は風上なので飛び込むことはあるまい。

なんどか崖に飛び込んだり、木に引っ掛かったので、ここではこれ以上飛ばすのは無理だろうなあ、どこか場所を探さなければ、と思っているうちに、とうとう5mぐらいの高さの所に引っかかってしまった。これは取るのは不可能・・・

仕方ない。100円でこれだけ遊べれば安いもんだ、と諦めて公園を後にしたものの、もう一度挑戦したい。中級キットはまだ家にあるが、作るのは難しそうだし、初級キットまだ売ってるだろうか・・・


公園からホームセンターに直行し、売り場に行くと・・・・あった!初級キット、2つ売れ残っている。さっそく購入。ついでに別の模型屋にて替えのゴムも購入。ゴムは120円と、キットそのものより高かった。

翌日、朝から作り始める。今度は羽の向きは間違えなかった。も、予めクリアーを吹き付けて下地処理したので完璧だ。ついでにプロペラもブルーとシルバーに塗り沸け、赤とゴールドで迷彩塗装を施す。塗装もバッチリ。なかなかカッコ良くなった。

午後、近くの公園のグランドで、草野球をやってる横でテスト飛行。上手く飛ばない。羽の位置や角度を何度調整しても、右旋回してすぐ墜落してしまう。翼が破れたので補修を繰り返し、テスト飛行を続行するが、

とうとう翼が根元から折れてしまった。

どうやら、この前作ったのは、まぐれで、画期的大成功作品だったようだ。つくづく昨日の木に引っかかったのが惜しくなる。もしかしたら、風で落ちていないだろうか・・・・


そのまま車を走らせて、山の中の公園まで行ってみる。夕暮れの公園の事故現場にたどり着いた時には、飛行機は跡形も無く消え去っていた。
風で落ちて、誰かが持ち去ってしまったようだ。

もう一機あるので、再挑戦してみようと思う。

メインページに戻る

 

inserted by FC2 system